- 時期:2016年12月
- 名前:かおり
- プロファイル:自称30代前半・北海道の有名な僻地出身の女の子
- 服用薬:シルデナフィル
- 会った回数:1回
- メモ:とにかく初めて会った子
そしてホテルへ
ホテルへの道すがら、ぼちぼちと話をします。言うまでもなく私は最高に緊張していましたし、それは彼女の方も同じだったのでしょう。初対面で共通の話題もないので、当たり障りなくお互いの基本情報を確認するという感じです。最寄駅はどこかとか、どんな仕事をしているのかとか、出身はどこかとか、そういうどうでもいい話題で切れ切れに会話を交わします。
彼女の出身は北海道だということでした。
「北海道の網走っていうところの出身なんです。知ってますか?」
「はい。でもごめんなさい、刑務所とか網走番外地ってイメージしかありません」
「ですよね」
「私の大叔父というんでしょうか、亡くなった祖母の兄だか弟だかが網走番外地にいたことがあるようなんです」
「そうなんですか?」
「はい、祖母の死後にうちの親が戸籍を調べたらそういう人物がいたことがわかって、戸籍上の住所が網走番外地になってたんです」
「ふうん、そうなんですね」
微妙な反応です。
私の親族で網走刑務所に収監されていたらしい人物がいるというのは事実です。彼女に何とか話を合わせようとこのネタを持ち出したんですが、よく考えたらかおりさんは網走刑務所とは何の関係もない人生を送ってきたでしょうから、そんなことを話されても反応のしようがない訳です。
あまり盛り上がらないままに目的のホテルへ着きました。
「ここに入ろうと思うんですけど、大丈夫ですか?」
一応彼女の意思を確認すると、彼女は黙ってうなずきました。
電子パネルで部屋を選び、相手の顔が見えないフロントで料金を支払い、エレベーターに乗って部屋へ向かいます。
エレベーターの中でもお互いに沈黙したまま。こんなことで楽しくセックスができるのでしょうか。
ひとまずコーヒーを淹れて気分を落ち着けることにします。
「コーヒーでも飲みませんか?淹れますよ」と聞くと、「あ、いいんですか?」と彼女。
はい、お安い御用です。お湯を沸かしてインスタントコーヒーと混ぜるだけですから。
並んでソファに腰掛け、熱いコーヒーをいただきます。
「いただきます」と礼儀正しく言う彼女。
私は「あのサイトは長いんですか?」と水を向けます。
「そうですね、3ヶ月くらいかな」
「いい出会いはありました?」
「いや、全然ないんです。変な人ばっかりで」
「へえ、変な人ってどんな人ですか?」
後に何人もの女性と出会うことになるのですが、彼女たちが出会い系で他にどんな男とやりとりしているのかという話題は鉄板ネタとして重宝します。みなさん、他の男との出会いや、メッセージのやりとりを赤裸々に話してくれるのです。そして、この「変な人」に関する話題は結構盛り上がります。ある種の仮想敵とでも言うのでしょうか、そいつの話をすることで二人の間に奇妙な連帯感が生まれるのです。これはなかなか面白い現象です。
私は基本的に女性の話をふんふんと聞き、要所要所で「それは酷い」とか「あり得ない」のような、共感を示すコメントを手短にするだけです。うまく行けば、そこからお互いの性的嗜好の話になったりして、いくぶんエロいムードになることもあります。そうでなくとも、「変な人」の話は反面教師として貴重な教訓となります。一般的に女性がどんな男をキモいと思っているのか、どんな男の振る舞いをケチくさいと思っているのかが何となく見えてくるのです。これは次の女性とやりとりする際に大いに役立ちます。
そういう訳で、我々はひとしきり出会い系に跋扈する「変な人」について話し、笑い合い、いつしか二人の間の緊張感もほぐれて行きました。
彼女は全裸になった
「そろそろシャワー浴びます?」
何とか会話が盛り上がり、お互いに笑顔になったところで彼女が切り出しました。
もちろんセックスの前にはシャワーを浴びるのは普通のことです。でも、目の前にいる女性がそういう言葉を口にすると、これから起こるであろうことが頭の中に次々と湧いてきて、身体に様々な反応が起こります。心臓がドキドキとして、顔は赤く火照ります。
私は思わずかおりさんの目を見ます。彼女はうっすらと微笑んでいました。そっと手を伸ばして、私の手の上に重ねます。
私は「あ、そうですね」と返すのがやっとです。
彼女の手のひらからじんわりと体温が伝わってきます。股間のモノがむくむくと大きく固くなるのがわかります。
「せっかくだし一緒に入りますか?」と彼女が聞いてきます。
願ってもないことです。私はうなずきます。
彼女はするすると着ているものを脱ぎ始めました。まず黒いニットを脱ぎ、紫色のスカートを脱ぎ、そして黒いストッキング、キャミソールと進んでいきます。私も隣でもそもそと服を脱ぐんですが、どうしたって彼女の身体に目がいってしまいます。
とうとうかおりさんはブラとパンツだけになってしまいました。パンツはTバックでした。
ニットの上からも大きいことはわかっていましたが、胸は大きく盛り上がり谷間を形成していました。お尻もぷりんと突き出ています。そして彼女はそれらの下着もあっさり脱いでしまって、一糸纏わぬ姿となりました。黒々としたヘアー、一対のおっぱいと乳首が晒されます。さきほどA駅で落ち合ってからまだ30〜40分しか経っていないのではないでしょうか。お互いほとんど何も知らないのに、彼女は私の前で裸になっているのです。これが出会い系というものなのか、と不思議な気持ちになりました。
二人で浴室に入り、交互に石鹸で身体を洗い、シャワーで洗い流しました。本当は湯船にお湯をためて二人で入れば良かったのです。バスタブで密着していちゃいちゃすればその後のセックスが何倍も濃密なものになります。でも、何しろ初回なのでそういうことが全くわかっていませんでした。我々は身体を洗い終えると、バスタオルを巻きつけて浴室から出ました。
彼女は広いベッドの真ん中あたりに身体を横たえました。私は枕元のパネルをあれこれいじって照明を落とします。それから彼女の側に横になり、腕を首の下に通します。すぐに彼女が身体を密着させてきました。いよいよです。
出会い系はすごい
向かい合って身体を密着させながら愛撫を始めます。彼女の腰のあたりに手を伸ばし、背中から肩へとゆっくりと撫でていきます。かおりさんの身体が私の手の動きにあわせてぴくんぴくんと小刻みに震えます。ふと彼女の顔を見ると、心なしか目が潤んで唇が開いていました。試しに彼女の額に自分の額をくっつけてみます。彼女は私を見つめたまま顔を動かそうともせず、半開きの唇の奥に舌が見えます。これはもしかしてキスをしてもいいのでしょうか。ゆっくりと彼女の唇に自分の唇を重ねると、柔らかく湿った舌が私の唇の間から侵入してきました。濡れた舌の艶かしい感触と、鼻腔に流れ込んでくる良い香りに、眉間の奥の方で火花が散るような興奮を覚えます。自分のモノが固く大きく勃起するのがわかります。
え?キスさせてくれるんだ。
私は大いに興奮しながらも、同時に驚きを覚えていました。
年若い女の子が出会って1時間足らずで全裸になり、身体をぴったりとくっつけ、唇を許してくれるなんて、本当にこれは現実でしょうか。こんなにも簡単にことが運んでいいのでしょうか。
出会い系は素晴らしいな。純粋にそう思います。
唇を合わせながら私は愛撫を続けました。かおりさんの腰、背中、肩、脇腹をひとしきり撫でた後、今度は尻から脚へと丹念に撫でていきます。彼女は小さく声を出しながら、陶然とした表情をしています。気持ちよくなってくれているのでしょうか。
長い長いキスの後、ようやく彼女が唇を離しました。かと思ったら、彼女は身体をもぞもぞとよじって下の方へと移動していきました。
あれ、もしかしてフェラチオをしようとしているのか?と思う間もなく、私のモノにかおりさんの柔らかく熱い唇が触れました。思わず腰がぐっと沈みます。亀頭がすっぽりと口の中に吸い込まれ、何とも言えない快感が腰から脳天へと突き抜けていきました。
彼女の顔が上下に動き、私のモノが口腔の中を往復します。熱く濡れた口腔壁の絶妙な感触と適度な圧迫感、フェラチオは本当に気持ちがいいものです。
ずっとしていて欲しい。愛おしい。
そんな風にも思いますが、私は元来EDで早漏気味です。早くも腹の奥の方にかすかな射精の兆しが感じられました。このままでは遠からず彼女の口の中に出してしまうでしょう。
私は一回のセックスで一度しか射精できない身体です。フェラはもう言うまでもなく素晴らしいけれど、やはり女性の膣に挿入してこそのセックスです。その一体感を味わいたいのです。
私は上体を起こし、彼女の髪に手を触れました。彼女がどうしたの?という風に顔を上げます。私は腰をひねって彼女の口からモノを引き抜きました。それから素早く彼女を抱き抱え、キスをします。かおりさんは特に抵抗するでもなく、また唇を開いて舌を伸ばしてきてくれました。
お互いに中腰で唇を重ねながら、私は彼女の股の間に手を伸ばします。中指がすっと滑りました。
「んふう」
キスで口を塞がれたかおりさんが鼻息まじりのくぐもったような声を上げます。
中指に熱く湿ったものが触れます。なんと、かおりさんの性器は濡れているのです。
あ、ちゃんと感じてくれてるんだ。
私はまたしても不思議な感覚にとらわれました。出会ったばかりでお互いのことをほとんど何も知らないのに、キスを交わしてお互いの性器に触れ合い、熱い体液が染み出しているのです。これは本当に現実だろうか?という思いが再度頭をもたげます。
私はこれまでに、日本やタイの風俗店で女の子に相手をしてもらったことが何度かあります。最後までさせてくれるタイプのお店です。私は自分自身が気持ちよくなれるかどうかよりも、女性に性的快楽を与えることを目的としてセックスをします。ですので、女性が性技を尽くして射精に導いてくれる種類の風俗サービスにはほとんど興味がありませんでした。それで、本番ありのお店を選んでいたのです。しかし、そういったサービス業の女性たちが私の性的テクニックで感じてくれることはほとんどありませんでした。日に何人ものお客を相手にするプロフェッショナルなのだから、そんなことは当たり前なのです。そういった目的で風俗店に行くのがそもそもの間違いです。しかし、彼女たちがサービスの一環として性器を触らせてくれるとき、私はその乾いた感触に味気ない思いを抱いていました。
かおりさんとキスを交わし、彼女の濡れた小陰唇に中指を滑らせながら、私は長年の願いがようやく成就しつつあるのを実感していました。
行為の後で
短く幾分あっさりとしたセックスでした。
かおりさんはクリトリス愛撫の果てに「あ!いくっ!」と短く叫んで達しました。
「ねえ、挿れてください」
肩で息をしながら彼女が言います。
私としてはもっと前戯を楽しみたかったのですが、彼女にそう請われたので挿入することにしました。
幸いにも飲んだ薬がよく効き、私のモノは挿入するのに十分な固さになっていました。
私はかおりさんの膣に挿入し、しばしピストンを楽しみました。私のモノが膣壁を往復する、その動きにあわせて、彼女は可愛い泣き声を上げました。脳内に快楽物質が放出される音が聞こえるような、そんな気がするほど私は興奮していました。
その一方で私はまたしても不思議な感覚にとらわれてもいました。本当にこんなことが起こっていいんだろうか。かおりさんのような若い女の子が、私のような何の取り柄もない中年男と出会って1時間足らずで交接しているのです。身体の内側に私のモノを受け入れてくれているのです。
改めて出会い系はすごい、と思いました。
股間の奥の方に射精の感覚が兆してきたところで、私は覆い被さるように彼女を抱き抱え、ピストンの速度を上げ、フィニッシュへと向かいました。かおりさんの泣き声のボリュームが一気に跳ね上がります。そしてその瞬間へ。
射精のあと、しばし乱れた息を整え、それから優しく唇を合わせました。
私の腕枕に彼女が頭をもたせかけ、胸に顔をうずめるようにしています。私はその長い黒髪をゆっくりと撫でます。
二人で並んでベッドに横たわり、他愛もない会話をします。
自由への扉が開いた
交互にシャワーを浴びて身繕いをし、ホテルを後にします。
ホテルに滞在した時間は1時間半くらいでしょうか。私にとってはやや短い逢瀬でした。本当は前戯にたっぷりと時間をかけた、長くねちっこいセックスが好きなのですが、まあ最初はこんなものでしょう。
駅前で別れるとき、かおりさんが手を差し出してきました。その手を握り返します。
「ありがとうございました。楽しかったです」
「こちらこそ。ありがとうございました」
「じゃあまた」
彼女は軽く手を振ると、そのまま地下道への階段へと消えていきました。ずいぶんあっさりとした別れですが、これもこんなものなのでしょう。別に我々は恋人ではないのです。
名前も素性も知らない者同士が、お互いの願望をかなえるためにいっとき交わり、そして後腐れなく別れていく。私は満足していました。
私はA駅の構内で軽食をとり、それから帰途につきました。
これで自由になったという開放感に包まれていました。
出会い系というツールを使えば、面倒な駆け引きなどすることなく、女性と出会ってすぐにセックスができるということがわかりました。
もう女に不自由することはないでしょう。
私にはこれからの未来が明るく開けているように感じられました。
以上が初回の記録です。
かおりさんのフェラチオの素敵な感触はその後もしばらく残っていて、何度も楽しいセルフタイムを持つことができました。
かおりさんとは駅前で別れて以来二度と連絡を取ることはありませんでしたが、100人斬りへの扉を開いてくれた特別な存在として、私の記憶に残り続けるでしょう。